大賞 準大賞(非常設) 優秀新人賞 準優秀新人賞    
  佳作 期待賞        
 
 

ちばてつや先生による総評

今回のちばてつや賞は、どれも大力作なうえに、演出が巧みな作品ばかりで、非常にレベルの高い回でした。どの作品が大賞を賞してもおかしくなか受ったくらいです。最近の漫画界は元気がないと言われているだけに、新たな才能の出現をとても喜ばしく思います。将来有望な受賞者たちには、ぜひプロになれるよう頑張ってほしいです。
 
『赫色少年の素晴らしき日々』を読む!

ストーリー

中学2年生の伊地知は、一見普通の健康男子。でも、誰にも言えない秘密がある。彼はニオイフェチで、それも女子の残した汚物に性的興奮を覚える変わり者。ところがある日、女子便所でその臭いを嗅いでいたら、1年生の女の子・小林に見つかってしまう‥‥。

 

ちばてつや先生の選評

過激なセリフや表現もありハラハラするが、演出力、構成力、画力ともに素晴らしく、妖しい二人の世界に引き込まれる。非常にリアリティのある作品。結局、主人公はフラれてしまったが、それも幼い思春期の甘酸っぱい記憶の1ページだと思えた。人物の表情、眼力にも魅せるものがある。とても力を感じさせる人だ。

 
 
『赫色少年の素晴らしき日々』を読む!

ストーリー

午前3時。一人暮らしの武田の家へ突如やってきた、サークル内のアイドル・内山奏。終電をを逃した奏を泊めてあげることになるのだが、武田には愛する彼女がいて‥‥。魅力的な女子を前に、我慢の一夜が始まる!!

 

ちばてつや先生の選評

Hだけど、とても明るい作品。キャラクターがそれぞれきちっと立っている。この二人はどうなるんだろうとヤキモキさせられて、非常に面白かった。「近藤君」に気持ちを代弁させた演出や、ファミレスから帰るごとにドキッとさせる演出はうまい。

 
 
『赫色少年の素晴らしき日々』を読む!

ストーリー

相葉浩章は2年前、自分のエラーで甲子園出場を逃してしまった。それ以来、ずっと重い後悔を抱えたまま生きていた浩章だったが、ある日、かつてのチームメイトであった健一と再会する。

 

ちばてつや先生の選評

ゆったりとした演出で大きなコマを効果的に使い、高校時代の一瞬の失敗と失言を深く悔いながら悶々と生きる二人の若者を魅力的に描いている。テーマもストーリーも読み応えがあり、ラストはとても感動的だ。

 
 
『赫色少年の素晴らしき日々』を読む!

ストーリー

無神経なほど気軽に誰とでも会話ができる先輩・一平を、どこかうらやましいと思っている内気な主人公が、定食屋のメグミちゃんと仲良くなりたい一心で、自分を変えようと行動を起こす。

 

ちばてつや先生の選評

青春のほろ苦い日常を描いていて、さわやかな作品。内気で人見知りな主人公も、陽気であけっぴろげな先輩も、食堂のメグミちゃんもいいキャラクターだし、演出もなかなか。これからの作品が楽しみな作家だ。

 
 
『赫色少年の素晴らしき日々』を読む!

ストーリー

大切なマンガを他人に触られたり汚されたりするのを極端に嫌う品川晋哉は、その性格のせいで彼女ができず悩んでいた。だが、ある日、本屋で偶然出会った女の子・翔子が家に来ることに!?

 

ちばてつや先生の選評

主人公がマンガを大事にしているというのが、すごく伝わってくる。また、絵にオリジナリティがあり、自分の世界を持っている作家だなと感じた。どのコマも手を抜かずに、一生懸命描いているのも素晴らしい。

 
 

佳作  2名

『架空恋慕』  和田大樹 26歳(東京都)
ストーリー
ネット上で”本当の友情”を探すミサ。だが、そんな相手がなかなか見つからず、ミサは誰からも愛されるように自分を装おうとするのだが‥‥。
選評
人物も背景もプロ並みの実力を持つ。現代の若者たちの生活をリアルに表現して見事だった。ラスト、吹っ切れたミサのぶっきらぼうなセリフが心地良い。
『ウコクロリディウム』  江戸川エドガワ 28歳(東京都)
ストーリー
人々が戦火を逃れて暮らす地下施設に、人間に寄生して行動を操る生物兵器が侵入。寄生されたのは誰なのか? 幼い姉弟は生き残りを賭け戦う。
選評
地下シェルター内でのスペクタクルに挑戦した大力作。設定にいくつか疑問は残るが、いろいろなタイプの人間を描けている。演出もうまくて面白い。
   

期待賞 10名

『あべべ』  早川宏紀 21歳(愛知県)
選評
セリフ回しが軽妙で独特。画力も高い。キャラ クターの造詣と作品の持つ不思議な雰囲気が相まって、すごく切なかった。作家にセンスあり。
 
『歌舞伎町450班』  伊野ナユタ 34歳(東京都)
選評
主人公の苦悩がよく伝わってきて、とても好感が持てた。後半の撮影シーンは意外性 があって面白い。いい表情が描ける作家。
『Graffiti Boys』  山本ヒロキ 21歳(岡山県)
選評
好きな物への存在価値に悩む若者の心理がしっかり描かれている。作品の真ん中にある熱さも伝わってきた。画力にキラリと光るものがある。
 
『CIRCUS FANTASIA』  中山光 23歳(東京都)
選評
きちんと作品の世界観を作れる作家。サーカス団のコミュニティや生活感も上手に描 けている。さわやかで、読後感がよかった。
 
『天ぷら』  十田一 21歳(京都府)
選評
出てくるキャラクターがみんな立っていて、何 度読んでも面白い。特に主人公のヘタレ具合がほほえましくて笑える。セリフ回しも冴えてる。
   
『ノーゴールタワー』  松居優 24歳(富山県)
選評
ユニークでオリジナリティのある作品。ヘ ディングに的を絞って描かれているので読 みやすい。構成が素晴らしく、オチも秀逸。
 
『PASSION』  イ ジャン ヒョン 27歳(東京都)
選評
真っすぐでブレのないストーリーと退屈さ せない画面作りに野太さを感じた。主人公 の気持ちの変化をとても丁寧に描いている。
 
『ベニテング』  岡田索雲 25歳(東京都)
選評
いい意味で予想を裏切ってくれる構成と演出力を高く評価。いじめっ子の主人公をイヤな奴に見えないよう描いたバランス感覚も素晴らしい。
 
『Money-Field』  近藤和寿 28歳(東京都)
選評
画力が高くて安定しているし、気合の入っ たいい絵を描いている。ストーリーもわか りやすくて痛快だし、リズムよく読めた。
 
『ONE』  笠原真樹 26歳(埼玉県)
選評
ストーリーにヒネリがあり、ひとつになったチームがどうなるか、ハラハラしながら読めた。仲間同士の友情を描ききれている。