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『やさしい黒』(35p)
ふゆくらそよ 北海道・19歳 |
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【あらすじ】
火山の噴火で家族を亡くした又造。彼の全身の火傷を忌み嫌い周りの人々は距離を置き、彼もまた心を閉ざしていた。そんな又造は唯一、墨絵を描いているときだけは自由なのだった。そこへ突然おゆきという少女が現れ、臆することなく又造に近づいてきて……。
【講評】
ふゆくらさんは前回のA賞から大きくランクアップ。相変わらず、魅せよう・演出しようという意識が高く、画面作りが上手です。読んでいて心に届く場面がいくつも際立っていました。キャラの気持ちも一貫して伝わってきますし、お互い心に傷を抱えた少年と少女の交流が丁寧に、しかし語りすぎて説明臭くはならず、気持ちの良いテンポで描かれていました。
ですが、やはり前回も指摘されたように、場面と場面の繋がりの分かりにくさや、やりたいことは分かるけれど背伸びをしすぎて中身が伴っていない感、が問題でした。墨、雪、灰といったキーワードで、黒と白の世界を対比させ、少年の心の変化とリンクさせる描写が、画力不足、経験値不足で生かしきれなかったのが残念。また、ページのめくりだけで時間経過を表すなど、漫画的表現として少々強引なところがあり、シーンの切り替わりが分かりづらかったです。又造が病床のおゆきのために紙をちぎって雪を降らせるクライマックスシーンも、余計な説明がないだけに、それがおゆきの視た幻だったのか、実際に又造がしたことなのかが判然としませんでした。無粋に言葉で説明をする必要はありませんが、ワンカット、それを示唆する画をはさむなどで、補足がなかったのはむしろもったいなかったのではないでしょうか。
作画の面では、背景がうまく描き込んであるコマと、手を抜いてしまったかな?というコマの差が激しかったです。それが、メリハリというよりは、背景が弱い印象を生んでいるので、特に意図的に人物を強くしたいコマ以外は、もう少し丁寧に描き込むとより良いでしょう。
この調子で成長を重ねられることと思います。次回作も期待しております。 |
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