Kiss:楠田夏子さんインタビュー|講談社コミックプラス
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楠田夏子さん インタビュー!(2009年)

Kiss16号から『ことこと かるてっと』の連載がスタートした
楠田夏子さんにインタビューしてきました!

『ことこと かるてっと』がスタートした楠田夏子さんにお話をうかがいます。
楠田さんは今、Kissでデビューしてから3年くらいですよね?

【楠田さん】:(以下K)
そうですね。漫画を描き始めて少したってからKissに投稿して、4作目でデビューさせてもらいました。

小さい頃から漫画家を目指していたんですか?
【K】:
はい、でも小中学生のときは普通にノートにエンピツで落書きをしているくらいで、人に見せたりもせずひっそりと(笑)。自分で使えるお小遣いの範囲で漫画を買って読んでいて、そんなにいっぱい買えるわけじゃないから、必死に買うもの選んでいました。そのときに好きになったのが川原泉さんや大島弓子さんでした。

実際にコマを割って漫画を描き始めたのはいつくらいなんですか?
【K】:
それが、実は就職してからだったんです。好きな漫画家さんの作品を読んで、リアルにこの世界に入りたいなと思ってはいたんですが、なりたいけどなれないかもしれないという不安もあって、2足のわらじを目指したんです。つまり、就職もして、漫画も描いてみるという。ところが就職に関する勉強とかをしていたら漫画に手をつけるのが遅くなり……。

でも、投稿時代にはお仕事おやめになられていましたよね。個人的には『まだデビューしていないのに、やめちゃったの!?』とびっくりしたのを覚えています。
【K】:
そうなんです。結局、就職はしたものの、2足のわらじで漫画は無理だと思って、色々決意したうえで仕事をやめ、投稿に専念しました。石橋をたたきにたたいて、割ってしまったというか。

なるほど。Kissに投稿したのにはどんな背景が?
【K】:
わたし、自分の漫画のタイプというかスタイルがどの雑誌にあっているかとかよくわからなかったので、色々なところに投稿してみようという気持ちがありました。他社さんにも投稿したりしていたんですが、ある時、新しい投稿先を考えていたら近所のコンビニでたまたまKissを見かけて、ここにも出してみよう!と。

よかったです。そのコンビニにKissがあって!
【K】:
そのコンビニ、いつもKissが必ずあるってわけじゃなかったので、本当に今思えば運命的ですね。それで、投稿したらデビューではないけど賞にひっかかって編集部から電話がきたんです。せっかくお声をかけていただいたんだから、Kissでがんばらせていただこうと、そこから、ついてくれた担当さんとデビューに向けて作品をつくりはじめました。途中、賞が停滞したりして、「わたし、今まで根拠のない自信がどこかにあって、いつかデビューできるかもとか思っていたけど、マジで根拠ないし、無理な気がしてきた」と自信を失ったりしましたが、なんとかデビューにたどりつけて……。

いやいや、“なんとか”ってかんじではなく、デビュー作『新人ロボ山の日々』はダメ新入社員の心情と成長をロボット化する描写でみごとに描いた快作でしたよ。
【K】:
そうですか、ありがとうございます。今、連載させていただいている『ことこと かるてっと』もデジタルで原稿をつくっているんですが、デビュー作ははじめてのデジタル原稿で、デジタルだからこそ装飾で遊びやすいっていうところがいい方向に行った原点的な作品にはなっているかなとは自分でも思っています。あと、デビューしたときに担当さんに「今日から本名じゃなくてペンネームの楠田さんで呼びますからね」と言われたときに、あぁ、わたしデビューしたんだなという気持ちになりました。

そのあと、何作か読み切りを描いて、今回の連載をはじめることになりましたが、そもそも『京都を舞台にした女子寮もの』という設定はどこから……?
【K】:
担当さんと、「いま、チーム男子ってはやっているけど、チーム女子だって負けてないよね」ということをはなして、女の子たちのはなしを描いてみようかと。そしたら担当さんが「せっかく楠田さんは京都に住んでいるのだから舞台は京都でどうですか?」提案をしてくださったんです。正直、最初は、個人的に京都は地元で、生活の場でもあるので、外の人が京都をいいところと思ってくれている気持ちとはちょっと違うかもというか、あんまり京都を意識していなかった部分もあったので不安もあったんです。でも、色々調べたり、取材に行ってみると「へぇ〜、そうだったんだ」と新鮮に感じる部分もあって、外の人が見る京都を内在化しながら、地元人としての京都を描き出せればなと思ってその提案にのってみることにしました。読み切りを描かせていただいていたときもそうなんですが、毎回必ず自分に宿題を課して、それをクリアしようと試みています。できているかどうかは別として(笑)。それが今回は「女の子の主人公たちに入り込んで、女の子を描く」「京都を描く」の2つなのかなと思っています。

なるほど。4人の女の子のキャラクターはどんなふうに生み出したんですか?
【K】:
まず大前提として、チーム女子として4人が絡んだときに一番いい形になるように心がけました。今の段階だと、蓮華は「良くも悪くもピュアな存在」、茜は「みんなの話をきいてあげれる吸収型」、難波は「ふざけているように見えて結構周りを冷静に見ている子」、万城目は「自分のこと大人と思っているんだけど一番等身大の女の子」というかんじですかね。あっ、ちなみにわたし、各キャラクターのテーマソングがあるんですよ。

ぜひ、教えてください!
【K】:
蓮華はaikoさんの「スター」、なんか主人公が新しい世界に行くかんじが似ているなと。そして茜が小野リサさんが子供と歌っているキッズボサノバの「オブラディ・オブラダ」のかわいい世界観で。難波が→pia-no-jaC←さんの「First Contact」というアルバムに入っている「うさぎDASH」という曲。テンポの速いとぼけたかんじがそうかなと。そして万城目が……実は万城目だけまだしぼりきれていません(笑)。

じゃあ、読者の方、「万城目はこれ!」というのがあったら楠田さんにおたよりを(笑)。
そして、今回の新連載は画面装飾がすごく個性的ですよね。先ほどデビュー作のおはなしのときにもおっしゃられていましたが、やはりこだわりがあるんですよね。

【K】:
そうですね。わたし、トーンを貼るって音楽だと思うんです。いまある基本的なストーリーにどんな効果音をつけるかっていう。どこから盛り上げて、どこからトーンダウンするか、そういうのが1枚のトーンでパッと変わるので。あと、デジタル原稿ならではなのかなと思うのですが、機械のペン先が、たまたま画面をタッチしたときに思いもよらないところにトーンがのったりして、そのトーンが意外といい、そんな即興的なノリもあったりします。最終的には漫画なんだけど、絵本っぽいかわいらしくてロマンチックな雰囲気が出せればと思っているので、そのコンセプトを壊さない範囲内での即興ですけど。

たしかに、「なんかはじめての漫画体験かも」と思わせる装飾的遊び、楽しませていただいています。
では、最後に読者のみなさんに向けて一言御願いします。

【K】:
「ことこと かるてっと」を読んでくださっている方、ありがとうございます、自分自身、先が見えているようで、見えていない気もしますが(笑)、キャラクターと対話しながら私も一緒に京都をもっと好きなれるといいなと思っておりますので、お付き合いいただければ幸いです。

ありがとうございました!!


 
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