宇宙船に乗り、二度と帰れぬ旅に出たワタル。船内には、世界中から選ばれた人々が集っていた。だが彼らは国籍やイデオロギーを忘れられず、いさかいが頻発。それはやがて宇宙人への疑心を生み、地球に帰せと要求しはじめる。残ったのは、ワタルとデンマーク人の画家、中東の少女の3人だけだった。いよいよ始まる太陽系の旅。火星のマリネリス渓谷で、ワタルは地球に伝言を送りたいと宇宙人に頼むが…。
©菅原雅雪
北海道愛別町出身。1961年生まれ。91年、『ホームレンジ』で四季賞に準入選。94年、『春ゆく鳥』(モーニング)でデビュー。作品に、『牛のおっぱい』『暁星記』『タロのいちんち』『蕗(フキ)のお便り』がある。