少年ノート(3)
少年は、音の中で世界と語る──。
天使の声・ボーイソプラノを持つ少年ゆたか。泣き虫だけど繊細で感受性豊かな彼は、中学校入学と同時に合唱部の門を叩く。「学校」という舞台で、少年少女がときに戯れ、ときにぶつかり合いながら響かせる、失われゆく日々のハーモニー。
ゆたかの前に現れたウラジーミル・ポポフ。彼もゆたかと同じく、ボーイソプラノをもつ少年だった。「きみの歌にはアイデンティティもくそもない」――ウルはゆたかを否定し、その声に呑まれたゆたかは歌うことができなくなってしまう。一方、河海東中合唱部も、自分たちの『着地点』を見出せずにいた。何を目指して歌うのか、少年たちが葛藤とすれ違いを繰り返す中、NHK合唱コンクールの地区予選が迫る!
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