2010年8月、その訃報に全世界が涙した。今敏、幻の処女長編を装いも新たに緊 急刊行!! リゾート開発に揺れる海辺の町に、今なお生きる海人(うみびと)の伝説とは――? 代々受け継いできた約束が、いま破られようとしている‥‥。 世界的に評価の高いアニメーション監督の今敏。彼が遺したヤングマガジン初連載作『海帰線』。この珠玉の海洋ファンタジーが新装版になって刊行。 本編に加え、連載時の扉絵をセレクトして1ページずつ掲載。また美術出版社版あとがきも一部抜粋して収録しました。 *
1963年10月12日生まれ。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。大学在学中の1985年、ちばてつや賞佳作『カーヴ』で漫画家デビューを果たす。1990年、『海帰線』でヤングマガジン初連載。同年『老人Z』(大友克洋原作・脚本)に美術設定として初参加し、アニメーションにもかかわっていく。1997年、映画『PERFECT BLUE』で初監督。以後『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『妄想代理人』『パプリカ』(筒井康隆原作)と、アニメーション監督として国内外で高い評価を受ける。最新作『夢みる機械』では、原作・脚本・監督として指揮をとるも、2010年8月24日、すい臓がんのため永眠。享年46歳。