光を失った。見えなかったものが見えた。 視力を失い、走ることすらままならない──。失意のアスリートを救ったもの…それは……。 視力を失う恐怖を乗り越え、羽柴日出朗は再びランナーとしての一歩を踏み出した。陸上部に戻り、目指すは「箱根駅伝」メンバー入り。伴走する紫村綾歌らに支えられ、以前の自分を捨て、ひたすら夢を負うその姿に心打たれぬ者はなかった…。そして、箱根駅伝当日。第10走者(アンカー)「ヒデ」に優勝のテープを切らせようと一つになる陸上部。だが、予測不能の試練が彼らを見舞い──。完結の第2巻。