手塚治虫が16歳の時に綴った未発表作品「虫の博物誌」。多感な少年時代に夢中になった、昆虫採集や虫の観察を精緻に書いた作品が、雑誌連載を経て「昆虫つれづれ草」として単行本化。本企画はその描き下ろし作品です。漫画を描いた小林準治は、精緻な昆虫描写の手塚治虫にあこがれて虫プロに入社。手塚の下で23年間手塚のエッセンスを吸収した小林の画風は、今では手塚そのものといえます。小林準治が描く、若き日のキラキラと輝く手塚少年の姿と、様々な昆虫の生態・図譜をお楽しみください。
手塚プロダクション作画監督。日本昆虫協会幹事。日本昆虫倶楽部会員。1984年東京生まれ。1966年アニメーターとして手塚作品に参加。虫プロを経てフリー。1978年手塚プロダクション動画部門創設に参加。「リボンの騎士」「千夜一夜物語」「ジャンピング」「森の伝説」「ジャングル大帝」がおもな手塚アニメの参加。イラストでは「都市の昆虫誌」「ファーブル昆虫記」などの昆虫画を担当した。弊社刊、「手塚治虫昆虫図鑑」「手塚治虫博物誌」(ともに+α文庫)がある。
1928年、大阪府豊中市に生まれ、兵庫県宝塚市で育つ。大阪大学付属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。1946年、「マアチャンの日記帳」で漫画家デビュー。1962年には『ある街角の物語』でアニメーション作家としてもデビューする。おもな作品に、漫画では 『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』その他多数、アニメーションでは『展覧会の絵』『ジャンピング』その他多数あり、全400巻の『手塚治虫漫画全集』(講談社)も刊行された。宝塚市には手塚治虫記念館がある。1989年に死去。