《ホールデン》。ヒトを死に至らしめる――あるいは怪物へと変化させてしまう病。そんな最悪な災厄が全世界で一度に発症したあの日から――この世界は終わってしまった。壊滅した世界の中、唯一わずかに残った日本で、《ホールデン》を発症しながらも生き残った存在が持つ《革命式》という力を武器に、人々はなんとか生き延びていた。そして《革命式》の力をもつ少年・久良岐蔵名は、人類の敵との戦いに身を投じるが――!?
――世界は終わってしまった。
容赦なく終わってしまった。
完璧に完全に徹頭徹尾終わってしまった。
不自然に不可避に不可逆に終わってしまった。
絶対に圧倒的にどうしようもなく終わってしまった。
世界を世界と呼ぶ必要がなくなるほどに、終わってしまった。
――それでも僕らはこの場所で、何かを信じてもがいてる。
――惨めで弱くて矮小な、どこにでもいる《人間》 として。
これは、こんなにも優しくない世界に残された、誇りと希望の物語――
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