栗原より、中3。母は離婚して家を出てゆき、海の家で働く父親と二人暮らし。その生活に不満は全くないけれど、高校受験を前にしても、よりには「大人になっていく」ということがまだピンとこない。身体は大人になっていく。親友は遠くの学校に進学しようとしている。そして家を出ていた兄が、帰ってくる――。思春期の揺れる心を軽妙に描く、家族の物語。
©高畠りょうこ