ある中学校の養護教諭・莉生のもとにかかってきた一本の電話。
「あなたの学校には時限爆弾が仕掛けられている――」
その支離滅裂すぎる内容に、いたずら電話だと思った莉生だったが、後にその本当の意味を知ることになる――。
中学校。
絶対的権威をもつ教師と、従属的な生徒という関係性。
教師がプライベート空間を占有できるという死角の多さ。
そして生徒自身の、不安定で幼い精神――。
それらを利用した卑劣な性暴力、「スクールセクハラ」。
保健室で勤務する養護教諭の莉生は、かつてこの学校で行われていた事件を知っていく中で、今また、そのおぞましい行為が進行中であることを知る。
養護教諭という立場、学校という社会の閉鎖性、被害を隠そうとする被害者…、
いくつもの壁が莉生の前に立ちはだかる。
被害の連鎖を食い止めるため、そして過去に被害を受けた人間を地獄から救い出すため、
莉生の孤独な闘いが始まる――!
©さいきまこ
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