「私の噂は――知っているでしょう?」
僕が炭風凌香に話しかけられたのは、高校からの帰り道だった。
彼女が援助交際をしているという、おそらくは、根も葉もない噂。
炭風は僕に、クラスで自分にその真偽を尋ねるよう依頼してきた。
皆の前で否定することで、噂の終息を早めようとしているのだろう。
そう考えた僕が翌日実行に移すと、彼女はなんとその噂を肯定する。
放課後、見知らぬ男性といる炭風の姿を見かけて、僕は後を追った。
そして目にしたのは、立ち尽くす彼女と、倒れている男性の姿。
炭風によれば、彼女は『月』に呪われており。
彼女を好きになった人間は、呪いにより死んでしまうそうで――!?
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