父の事業の失敗で没落してしまったダーレン男爵家の娘・アリシア。が、男爵家を陥れて父の大切な遺品だった懐中時計すらも奪っていったのは、悪名高きウォルター伯爵であったことを知ったアリシアは、「お父様の懐中時計を取り戻し、ウォルター伯爵の悪事を暴いて法の裁きを!」と復讐を胸に誓う。レンダリア王国屈指の大貴族・ウォルター伯爵。その伯爵の妹の家庭教師となるべく身分を偽り、伯爵家に潜入することになったアリシア。金に汚く傲慢な悪魔のような男と聞いていたはずのウォルター伯爵だったが、目の前に現れたのは、冷たい青い瞳が印象的な美青年だった。噂に聞いていたはずの冷血な男――しかし、ウォルター伯爵ことライアンがときおり見せる優しさと切ないほどの寂しげな表情が頭から離れないアリシア。父の仇だと憎しみを募らせてきたはずが、揺れる心に戸惑いを隠せない。ライアンもまた、吸い込まれそうなアリシアの瞳と、彼女の強さに抑えようのない欲動を抱く。月が輝く夜、ライアンに強く抱きしめられ口づけをされたアリシアは、着実に大きくなっているライアンへの恋心と、手放すことのできない復讐心に揺れ涙する。そして父親の仇を取ることを選び、ライアンの書斎へ手掛かりを探そうと侵入したアリシアだったが――!?
【分冊版『偽りの花嫁令嬢と消えた懐中時計』9~12巻収録】
※この作品は講談社X文庫ホワイトハート『暴君伯爵の甘い手ほどき』の内容を一部改変の上、タイトルを変更してコミカライズしたものです。
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©佑羽栞・ゆりの菜櫻
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