『金田一37歳の事件簿』は、1992年から「週刊少年マガジン」において連載されて大好評を博した『金田一少年の事件簿』の続編として、主人公の金田一一(きんだいち・はじめ)の20年後の姿を描いたシリーズです。「イブニング」誌において連載され、コミックスも好評を博しています。
金田一一は高校生時代から20年が経過したため、現在は音羽ブラックPR社という小さなPR会社で営業部主任を勤めています。今や平凡なサラリーマンになった彼ですが、どういうわけか仕事中に凶悪な事件に巻き込まれてしまい、部下の葉山まりん(23歳)とともに“仕方なく”事件を解決していきます。かつてのヒロインだった七瀬美雪は大手航空会社のチーフパーサーをしているため、金田一とはすれ違いの日々が続きます。
少年時代と同様に孤島やタワーマンションといった密室空間でのトリックを使った犯罪を暴いていくのがポイントで、舞台としては、『金田一少年の事件簿』で舞台となった歌島リゾートや、函館異人館ホテルなどが登場するのも作品の魅力のひとつになっています。今作での金田一の決め台詞は「謎がすべて解けちまった……!」「俺はもう謎は解きたくないのに~」など、どういうわけか少年時代とは推理に対する意識が違う点も面白味となっています。
本書は『金田一37歳の事件簿』初の公式ガイドブックです。単行本11巻までに完結した6本の長編について、その謎解きをじっくりと楽しめる詳細解説を展開しています。さらには『金田一少年の事件簿』時代の全ての長編のあらすじ・解説も掲載。2022年の「30周年イヤー」に先駆けて「金田一シリーズ」のすべてを楽しみながら振り返ってもらえる構成となっています。
本書を手にした読者のみなさんは『金田一37歳の事件簿』と『金田一少年の事件簿』シリーズをより一層楽しんでもらえることでしょう。
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