俺が欲しかったのは、端からお前だ――――。 幼い頃から、【紅い瞳】を理由に「汚らわしい」「アヤカシの呪いだ」と虐げられてきた莉子。 姉の身代わりとして【人喰い】と恐れられる酒呑童子の元に嫁いだ彼女は、死を覚悟して屋敷に向かう。 だが、不時の桜の下、佇む鬼は、微笑みを湛えていて――――? 【紅い瞳】が映すのは、畏怖か、それとも愛なのか。それは夢のように儚い、異類婚姻譚。
©綾里けいし・ワタヌキ/講談社
小説家。著書に『異世界拷問姫』『B.A.D.』シリーズ他。