火田七瀬は精神感応能力者。 乗っていた列車の中で、自分以外の超能力者と出合う。一人は同じ精神感応能力者であるノリオ。もう一人は予知能力者の恒夫。恒夫は列車の脱線転覆事故を予知し、その思考が七瀬に流れ込む。わかっていながら誰も助けられないことに悩む七瀬。3人だけが列車を降りる‥という恒夫に対して、七瀬の判断は!? 冒頭には故郷をあとにする七瀬を描くエピソード0「七瀬、故郷に帰る」を収録。
1934年9月24日大阪府生まれ。'81年に『虚人たち』で泉鏡花文学賞、'87年に『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎文学賞、'89年に『ヨッパ坂への降下』で川端康成文学賞、'92年に『朝のガスパール』で日本SF大賞を受賞。'02年、秋の褒章の紫綬褒章を受章。