「あなたの胸の中にあるものでも、晒すと人の心を打てますか?」
2007年、一人の少女と、一人のニートが旅立とうとしていた。
“物語”は、果たして人を救えるのか?
2007年、夏。中学一年の嶋田チカは、幼馴染の藤岡キョウヤから、長らく入院していた妹のハルナが帰ってきたので会ってほしいと頼まれる。ハルナは痩せ細り、とても健康そうには見えない。彼女の懇願を受け、チカは前年母が書いた「タカシの冒険」の内容を語って聞かせる。大喜びのハルナに続きが聞きたいとせがまれ困惑するチカに、キョウヤはそっと告げる。「ハルナは、もうすぐ死ぬ」。
同じ頃、引きこもりでニートの作家志望の青年・西藤リクは、世界と自分を憎み、絶望して、二ヵ月後に自殺することを決意していた。
“物語”に迷い込む中学生とヒキニート。暴かれる、一人の騎士の真実。ネットを介して命と想いが繋がる時、異世界の扉が再び開く。
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