パートで働く母親と二人暮らしの辻史絵莉、29歳。幼い頃から女手ひとつで育ててくれた母親が垂れ流す愚痴と、会社の同僚たちの聞きたくもない噂話から唯一解放されるのは昼休みの1時間だけ。そのほんの短い時間に、史絵莉は誰にも知られぬ小さな秘密を隠していた――。
©小宮みほ子
2017年『結露と窒息』で第9回Kiss WAVEシルバー賞を受賞。同作品が「ハツキス」(講談社)2017年9月号に掲載されデビュー。デビュー前にWEBで掲載された『彼女はすぐそこの遠く』も異例の大反響となる。他作品に、交わらない想いを描いた恋愛群像劇『溶けないし混ざらない』や、夫の愛人と自分に好意を寄せる謎の青年との同居を舞台に新しい家族の姿を描く『インザハウス』など(電子にて配信中)。